2015/05/23

京都市電500形(505号)

京都市電500形は、1924年から28年にかけて40両が製造されたものです。京都市の発展を背景として市電の輸送力増強を図るため、京都市電としては初めてのボギー車となりました。
500形は全長13.5mの箱型車体を採用し、乗降扉を三か所に設けています。せっかくの大型車でしたが、戦前の不況により輸送力過剰となり、1935年から36年にかけて514号~517号の4両が中型ボギー車に改造され、514形となりました。
戦後は1949年に登場した1000形とともに、大きな輸送力を活かしてラッシュ時を中心に活躍しました。伏見・稲荷線では入線可能な最大車両であったことから日中も重用されました。1968年から廃車が始まり、1970年3月の伏見・稲荷線の廃止に際して全廃となりました。
写真の505号は、1924年2月に田中車両で完成したものです。廃車後は京都市交通局により通常非公開で保管されていましたが、2014年3月から梅公路公園内の「市電ひろば」で公開されています。公開と同時に「市電カフェ」に改装されました。
【撮影:佐野次郎 2015.5.19】

嵐山線6300系〈6352F〉

阪急電鉄6300系は、2800系に代わる京都線の特急用として、1975年から1978年にかけて64両〈8両編成8本〉が製造されました。さらに1984年には増備車として6330番台1編成が製造されました。2扉・転換クロスシートという珍しい構成の電車です。
2001年3月のダイヤ改正から京都線の特急の停車駅が増加するとともに、10分間隔に増発されるようになり、6300系だけでは特急運用を賄えなくなりました。そのため後継となる3扉の9300系が導入されました。
6300系は基本的に廃車となりましたが、一部車両に関しては嵐山線に転用され、2300系を代替することになりました。3編成を4両編成に短縮して、座席に関しても配置を変更しています。その他にも「京とれいん」に1編成が改装されました。
写真の6352Fは、1976年9月にアルナ工機で製造されました。2009年4月に嵐山線対応工事を完了しています。側扉の窓が天地方向に拡大しているのが目を引きますね。
【撮影:佐野次郎 2015.5.18 桂駅】

2015/05/10

京浜急行2100形(2133編成)

京浜急行2100形の2133編成は、今年の3月から2157編成に代わる二代目KEIKYU BLUE SKY TRAINとして営業運転に就いています。
2014年9月に京急ファインテック久里浜事業所に入場して、更新工事とVVVF機器の換装工事を併せて施行し、行先表示のLED化も行われました。2100形では本編成を最後にして、歌うような音階を奏でるシーメンス社製のVVVF機器は姿を消しました。
先代のKEIKYU BLUE SKY TRAINであった2157編成が、入れ替わりに京急ファインテック久里浜事業所に入場しました。こちらは一般色になって出場することになります。入場前にVVVF機器は更新されており、行先表示もLEDになっていますので、更新工事のみの施行と思われます。
写真の2133編成は1998年10月に東急車輛で完成したもので、2100形の2次車に相当します。前述の通り、2015年3月に更新工事を終えています。
【撮影:佐野次郎 2015.4.19 追浜ー京急田浦間】

2015/05/06

京浜急行2100形〈2109編成〉

京浜急行電鉄では、主に泉岳寺駅発着の快特に使用している2100形が、製造後約15年を経過したことから、車体と機器のリニューアルを行う更新工事を進めております。
外観よりも車内での変更点が目立つようで、照明は省エネに貢献できるLED照明となり、車内の案内表示は17インチのLCD式になっています。その他、車端部の側窓が開閉可能になりました。
走行機器の更新については、2008年度から既に進められており、新製当時の特色であった外国製品による歌うような音階を奏でる走行機器も国産製品に換装されています。
写真の2109編成は1998年3月に川崎重工で完成したもので、2100形の1次車に相当します。2009年12月に機器更新を受け、2014年3月に更新工事を完了しています。さらに2015年1月には、正面の行先表示を方向幕からLEDに換装しています。
【撮影:佐野次郎 2015.4.19 京急田浦ー追浜間】

2015/05/02

京浜急行600形(607編成)

京浜急行600形は、1994年から96年にかけて88両(8両編成×8本、4両編成×6本)が製造されました。製造当初は特別料金が不要な通勤電車には珍しいクロスシートを採用しておりました。快適な通勤をめさぞうという意図があったようですね。
また2100形・二代目1000形と続く現代の京急電車のスタイルを確立した電車でもあり、比較的少数派の形式でありながら、京急ファンには人気のある電車ですね。今では二代目1000形のアルミ車とほとんど同じスタイルに見えますが、側窓と外板がフラットでなかったり、集電装置が菱形のパンタグラフであったりと年代による差異はあります。
現在では、全車の更新工事が完了し、扉間が一般的なロングシートに換装されています。やはり首都圏の混雑では、立席の収容力が限定されるクロスシートはきついのでしょう。また前面には形式名「600」の切り欠きが設けられています。
写真の607編成は1995年6月に川崎重工で完成したものです。2007年7月に京急ファインテック久里浜工場でロングシート化改造を受けております。また前面の方向幕はフルカラーLEDに換装されています。
【撮影:佐野次郎 2015.4.19 京急田浦ー追浜間】