2014/09/20

広島電鉄900形〈906〉

広島電鉄に対する私のイメージとしては、オリジナルの車両に加えて、大阪・神戸・京都・北九州からの移籍車両を多数活用しているというものだった。これは1980年代を通して鉄道書を読み込むことで培われたものである。
いつか路面電車が縦横に活躍する広島を訪ねてみたいと思っていたが、念願叶ったのは2012年のことだった。あまりに楽しくて2013年にも再訪してしまった。やはり鉄道書からの情報で、車両の世代交代が進んでいて、神戸・大阪からの移籍車両は数を大きく減らしている事は知っていた。
広島駅近くのメインの路線で張っていても、日中は移籍車両はそれほどやってこない。むしろサブターミナルともいうべき横川駅近くの路線を中心に活躍しているのだ。もと大阪市電2600形である900形も横川駅には頻繁にやってくる。
写真の906号はもと大阪市電2627号で、1969年10月に広島電鉄での運行を開始した。1989年6月には冷房改造を受けている。大阪市電時代よりも広島での活躍のほうがはるかに長くなっている。
【撮影:佐野次郎 2013.9.13 寺町ー十日市町間】

2014/09/13

広島電鉄800形(806)

ちょうど1年前、私は広島に路面電車の撮影行に出かけていた。ほぼ完全に路面電車の撮影に特化した旅行だった。
私は横浜に住んでいるので、実際に走っている路面電車といえば、都電の荒川線や東急世田谷線など純粋に市街を走る市電とはイメージの異なる電車しか実際に見たことがなかった。あとは小さい時に乗った京都市電は、たしかに市電としての姿を残していたと思う。
複数の路線からなるネットワークを維持している路面電車は、広島が日本では群を抜いた存在である。宮島線の直通運転が有名だが、市内を走る広島駅と広島港を結ぶ系統も今や連節車が主力になっている。
写真の806号は、1990年6月にアルナ工機で完成したものである。広島電鉄800形は、路面電車としては大型の部類に入るが、広電の案内板には「単車」と表現されている。
【撮影:佐野次郎 2013.9.13 的場町ー猿候橋町間】